資金調達ノウハウ

日本政策金融公庫(国民生活事業)の融資制度(1)「普通貸付」

2016.03.24

普通貸付とは、最もベースとなる貸付制度です。

 

日本公庫のHPには以下のようなことが書かれています。

 

ほとんどの業種の中小企業の方にご利用いただけます

(金融業、投機的事業、一部の遊興娯楽業等の業種の方はご利用になれません)。

 

この内容はとても重要です。

もう一度繰り返します。

 

ほとんどの業種の中小企業の方にご利用いただけます

(金融業、投機的事業、一部の遊興娯楽業等の業種の方はご利用になれません)。

 

 

つまり、金融業、投機的事業、一部の遊興娯楽業等の業種の方は利用できない!

ということです。

 

そんなこと、子供だって分かりますよね?

バカにするなー!と叱られそうですが、

つまり、これらの業種の方は申請しても困難である、

ということです。

 

専門家でもこれをうっかりして、

大きな間違いをしてしまうことがあるようです!

 

そもそも、こういうことを知らない「専門家」もいます。

本当、危なっかしい・・・と思います。

 

 

それでは、制度の概要について解説しましょう。

 

<制度概要>

資金使途 運転資金 設備資金 特定設備資金
融資限度額 4,800万円 7,200万円
返済期間

5年以内(特に必要な場合

7年以内)
<据置期間1年以内>

10年以内
<据置期間2年以内>
20年以内
<据置期間2年以内>
利率

基準金利

使いみち、返済期間または担保の有無によって異なる利率が適用されます。

保証人・担保

公庫HPには、「ご希望を伺いながらご相談させ頂きます」

と書かれています。

 

 

ここに書かれている特定設備資金ですが、

国民金融公庫、及び国民生活金融公庫の時代には、

確か説明が書かれていたと思うのですが、現在はありませんね。

 

特定設備資金とは、一般的には以下のような内容になります。

 

1.技術革新、需要構造の変化などに伴い取扱商品を変更したり、

  現在の業種を変更する場合に必要な設備資金
2.大型店の進出により影響を受け、もしくは影響を受けるおそれがあり、

  又は公害を発生し、もしくは発生するおそれがあり、

  このため事業所を移転するのに必要な資金
3.公共施設の移転又は設置に伴い経営環境に変化を受け、

  又は受けるおそれがあり、このため事業所を移転するのに必要な資金
4.店舗、工場等の立退や買取を求められているなどの外部要因により、

  不動産を取得する資金。

 

 

繰り返しになりますが、これが最も基本となる制度です。

 

既に開業されている事業者は、基本的には、

この制度を利用できるかどうかの判断になります。

 

もちろん他の制度もありますので、考え方としては、

これを基本として、他の制度(特別貸付)の利用を並行して

検討していきましょう!!

 

最近の傾向としては、経営力強化資金の人気があります。

顧問税理士さんが認定支援機関の場合は、これをお勧めします。

 

 

ちなみに、中小企業施策総覧においては、

国民生活事業には、「普通貸付」と「生活衛生資金貸付」に分かれており、

「普通貸付」は、さらに、「一般貸付」、「特別貸付」、「マル経」、

「記名国債担保貸付」に分かれています。

 

これについては、あまり深く考え込む必要はないかもしれませんね。

事例から分かる情報収集の重要性!!

2016.03.16

以下のブログ記事を読んでいない方は、先ずはお読みください。

 

資金調達に関する「6つ」の情報収集方法について(2016.03.15)

 

 

さて、今回は、どうして情報収集が大切なのか?

ということについて、事例を参考にしながらお話しさせて頂きます。

 

これはよくセミナー等でお話しする典型的な事例なのですが、

平成21年1月頃のことです。このような相談がありました。

 

 

「5ヶ月前に公庫に融資を断られました。何とかがんばってきたのですが、もう資金ショートしそうです。公庫に断られているので後がないと思いますが、もうどうしようもないのでしょうか?」

 

 

その当時は、世界金融危機・不況により日本の経済も急激に後退し始めた頃です。

 

実をいうと、その5ヵ月の間に、日本政策金融公庫の融資は格段に強化されていました。

特に「セーフティネット貸付」を強化してきました。

 

しかしながら、当然ですが、社長さんはそんなこと知りませんよね。

 

そこで、私は、どんなアドバイスをしたのか??

皆さんならどうアドバイスをしますか??

ちょっと考えてみて下さい。

 

 

 

 

 

 

 

<検討中>

 

 

 

 

 

 

 

アドバイスの概要は、以下の通りです。

 

 

「5ヵ月前とは公庫の対応は全く異なります。

実際にこの不況の影響を強く受けているのだから、

もう一度、改善計画をしっかりと作成して申請してみてください」。

 

 

実は、たったこれだけです。

 

さすがに実際のところはもっと細かくアドバイスしておりますが、

要は、これだけのことなのです。

 

その結果は??

 

「600万円」の資金調達に成功いたしました。

 

要は、政府の中小企業金融対策に関する最新情報について

“知っているかどうか”だけのことなのです。

 

いくらノウハウや知識を持っていても、

最新情報を知らないと損をすることだって有り得ます。

 

これは「いかに“情報”が大切であるか!」という典型的なケーススタディです。

“知っているだけ”で救われる中小企業もあるのです。

 

もちろん、情報収集だけしていればOKということではありません。

 

あくまでも情報収集“も”重要な要素の一つである、

ということを言っているに過ぎません。

資金調達に関する「6つ」の情報収集方法について

2016.03.15

資金調達に関する情報収集って結構大変ですよ。

 

不況の時代においては、政府が様々な中小企業施策を実施します。

今現在の安倍政権もたくさんの施策を実施しております。

 

しかしながら、多くの中小事業者は、こういう情報を収集する術を知りませんし、

また、本業で忙しくて、それどころではないでしょう。

 

もうこれはしょうがないことです!!

簡単に情報収集の仕方いついてお話しさせて頂きます。

 

この6つの方法で情報収集しましょう!

 

第一に、やはり「新聞」関連ですね。

 

特に「日本経済新聞」、「フジサンケイビジネスアイ」などをお勧めします。

ネットでも見れますよね。

 

第二に、「専門誌」や「専門書」です。

 

中小企業向けの専門誌などに、

最新の資金調達に関する情報が掲載されている場合があります。

ただ、ちょっと情報が遅いかもしれません。

 

第三に、「テレビ」です。

 

意外でしょうか?!

たとえば総理大臣の経済対策等に関する記者会見などは要注意なのですよ。

 

それと、テレビのキャスターやゲストコメンテーターの言っていることについては、

少々、客観性に欠けているケースが多々あるように感じています。

 

第四に、「経済産業省、経済産業局、中小企業庁、日本政策金融公庫、

信用保証協会、地元自治体関連機関」などのHPです。

 

定期的に見てくださいー!!

 

第五に、「資金調達の専門家のメールマガジン、ブログ、SNS」などです。

 

ちなみに私も配信しておりますよ。

 

・現場叩き上げコンサルタントの資金調達ノウハウ!

http://www.mag2.com/m/0000124162.html 

(※「まぐまぐ!」より配信:http://www.mag2.com

 

 

第六に、「専門家とのネットワークの構築」です。

 

個人的にそういう専門家と提携して情報収集するか、

または専門家が主催している勉強会などに参加することによって、

情報収集は可能だと思います。

 

私の宣伝のようになって申し訳ありませんが、

以下のような勉強会組織もあります。

 

・資金調達サポート会

 http://www.fa-ps.com/ 

 

タイムリーに資金調達や施策に関する情報を入手することは

とても大切なのです!!

 

その重要性については、また別の機会にお話しさせて頂きますが、

先ずは、しっかりと情報収集していきましょうね。

法律承認とは?経営革新計画と新連携・・・どういう効果があるのか?

2016.03.14

法律の承認・・・。

 

知らない方は知らないと思われますが、

知っている方からすると当然のように知っている施策です。

 

平成17年度より、「新事業促進法」、「中小企業創造活動促進法」、

「中小企業経営革新支援法」の3法は一つの法律に統合されました。

 

それが、現在、中小企業の支援法としては、

有名な「中小企業新事業活動促進法」です。

 

特に、中小企業新事業活動促進法の「経営革新計画」はとても有名です。

 

 

少々、話が逸れますが、私が起業した当時(1998年頃?)は、

「新規事業法」、「中小企業新分野進出等円滑化法」、

「中小企業創造活動促進法」などが中心でした。

 

本当に支援法が多くて、経営者からすると分かりにくかったと思いますよ。

 

今現在は、「中小企業新事業活動促進法」が中心的な支援法ですので、

経営者にとっては、とても分かりやすいと感じています。

 

 

さて、この「中小企業新事業活動促進法」は、

中小企業の経営の向上を図る経営革新への取組を支援するもので、

窓口は、各都道府県になります。

 

この経営革新計画の承認を受けると支援策を受けるチャンスが出てきます!

 

どんな支援策があるかと言いますと、たとえば、東京都の場合は以下の通りです。

 

  1. ・政府系金融機関による低利融資制度
  2. ・中小企業信用保険法の特例
  3. ・中小企業投資育成株式会社法の特例
  4. ・企業支援ファンドからの投資
  5. ・特許関係料金減免制度
  6. ・海外展開事業者への支援制度
  7. ・東京都制度融資(産業力強化融資)
  8. ・市場開拓助成事業

 

 

資金調達の視点からは、「政府系金融機関からの低利融資」、

「中小企業信用保険(別枠付保)」、「中小企業投資育成株式会社法の特例」、

「補助事業」などによる支援をしています。

 

資金繰りに苦慮している中小事業者が、この経営革新に一途の望みを託して

承認申請するケースが非常に多いようですが、本来の主旨ではありません!

 

 

また、異業種との連携によって、あらたなビジネスを開拓している事業者なら

「新連携」という承認を検討してみてもいいでしょう。

 

この新連携とは、中小企業が他の中小・中堅・大企業、大学・研究機関、

NPO等と連携し、それぞれの「強み」を生かし、高付加価値の製品・

サービスを創出する新たな事業(新連携)を支援するというものです。

 

当然ですが、この「新連携」にも経営革新計画と同じような支援制度が用意されています。

 

経営革新計画と比較すると、承認を受けるまでの道のりは長いですが、

承認の重みが違うかもしれませんね!

意外と知らないかも。ノンバンクの定義って・・・ご存知ですか?

2016.03.11

世の中には、ノンバンクを勘違いしてる人が多いと感じています。

 

ノンバンクを「悪徳金融」や「闇金」と同じような感覚で理解している人も少なくありません。

 

確かに「悪徳金融」や「闇金」は、“バンクでない”という意味では、

同じかもしれませんが、同じには捉えないで欲しいと思います。

 

実は、これは経営者にとって、

とてももったいないことなんですよ。

 

だって、「悪徳金融」や「闇金」と同じようなものと

理解している人にとっては、自ら“ノンバンク”を否定しているようなものです。

 

ノンバンクは利用の仕方さえ、間違わなければ、

とても有難い金融会社です。

 

実際、多くの企業さんが救われていますよ!

 

 

基本に戻って、ノンバンクの定義について解説させて頂きます。

 

ノンバンクとは、預金業務や為替業務を行わずに

融資業務などを行っている会社をいいます。

 

例えば、分かりやすくいいますと、

消費者金融会社や信販会社、クレジットカード会社などが、

一般に「ノンバンク」と呼ばれています。

 

結構、身近ではないですか?

既に皆さん利用されていると思います。

 

ノンバンクに対して、「銀行」は、原則として預金によって得た資金で

企業や個人に融資を行っていますよね。

 

「ノンバンク」は「銀行」等から借り入れた資金を融資の原資としており、

個人向けには無担保で融資を行うことが中心的な業務になっています。

 

確かに、このノンバンクの定義は、正式には違うのかもしれませんが、

主旨について理解して頂ければと思います!!

 

 

さて、現在、ノンバンク業界の業績は急速に悪化しています。

 

その理由としては、貸金業法の改正です。

平成18年12月に、国会で全会一致で可決・成立し、

平成22年6月18日に、完全施行されました。

 

これがきっかけとなって、多くのノンバンクが倒産したり、

撤退したり、業務縮小に追い込まれました。

(もちろんこれだけが原因の全てではないと思いますが!)

 

よって、一時期のような無担保ローンは、事実上、ほとんど行われていません。

 

ノンバンク融資の概要については、それぞれの会社によって異なりますが、

現在のところ、大手ノンバンクで稼動しているのは、「売掛債権担保融資」、

「不動産担保融資」くらいです。よって、有担保型の融資が中心になります。

 

それと、「ファクタリング」についても是非、知っておいてください。

いずれ、このブログでも取り上げてみますね。

補助金・助成金とは??先ずはこの二つのポイントを知ろう!

2016.03.10

補助金、助成金という言葉を知らない人はいないと思います。

 

その他、奨励金、給付金などというものもありますが、

基本的には全て同じものと考えてくださって結構だと思います。

 

つまり、国や地方自治体などから支給されている“返済不要のお金”のことです。

 

補助金・助成金制度を実施している省庁には、

厚生労働省・経済産業省・総務省・・・などがありますが、

ほかにも各省庁の下部機構、周辺組織、独李行政法人、

都道府県や政令指定都市など地方自治体独自の制度もあります。

 

なお、「補助金」という名称がつくのは「経産省系」、

「助成金」は「厚労省系」と主張している専門家もいらっしゃいますが、

経産省系の制度にも「助成金」という名称のものはあります。

 

さて、補助金・助成金は大きく二つの種類に分かれます。

既にこちらのページで解説していますので、復習になりますね。

この補助金・助成金は、既に説明したように、

一般的には次のように大きく2つに分かれます。あらためて確認しておきましょう。

1.人材等に関する補助金・助成金(厚生労働省等)
2.技術・研究開発に関する補助金・助成金(経済産業省等)
 
これら以外にも、総務省、文部科学賞、農林水産省、

環境省など各省庁が様々な補助金・助成金制度を実施していますので、

一度、HPなどで確認してみてくだっさい。

 

 

ここで、補助金、助成金の原理原則論についてお話しいたします。

 

(1)補助金・助成金は“後払い”である!

 

補助金・助成金は、採択されたからといって、

すぐには入金されるわけではありません。

 

意外とこれを勘違いされている経営者の方はいらっしゃいます。

 

制度にもよりますが、原則として、自社で支出した経費に対して、

後ほど(およそ半年~1年後)補助・助成されます。

原則、“先払い”ではなく“後払い”ということですね。

 

但し、稀に、一部概算請求などができる“先払い”の制度もありますので、

是非、募集要項などをチェックしてください。

 

(2)補助金・助成金は、事業資金全額を助成してくれるわけではない!

 

補助金、助成金は、必要事業資金の全額を補助・助成してくれるわけではありません。

各補助金・助成金には、「助成限度額」と「助成率」が定められています。

 

例えば、「助成限度額」が500万円、「助成率」が1/2という制度があったとしましょう。

 

必要資金が800万円の事業の場合、その1/2の「400万円」を限度として助成してくれます。

また、必要資金が2,000万円の事業の場合、その1/2は「1,000万円」ですが、

500万円が限度額ですので、「500万円」が助成されます。

 

但し、“委託事業”のように必要事業額に対して全額支給する制度もありますので、

制度内容をしっかりと見極めてください。

 

私の経験ですが、委託事業を受けた社長さんから聞く限り、

結構大変なのだそうです(苦笑)。

銀行融資の審査方法の変遷、変化について

2016.03.09

銀行って何を基準に融資の審査をしているか?

 

皆さん、これについてはとても興味があると思いますが、

時代とともに変化している部分もあります。

 

もちろん普遍的な部分もあり、

色々な見方や考え方があると思いますので、

私の意見が絶対的に正しいわけではありません。

これを前提にお読みください。

 

バブル崩壊以降、金融機関(銀行、信用金庫等)の審査方法は

大きく変わった・・・と一般的には言われております。

 

私個人の意見ですが、この変化によって

会計事務所・税理士の存在意義がさらに向上したといえるのではないでしょうか?

(言い過ぎ??)

 

 

さて、とてもシンプルに説明したいと思います。

繰り返しますが、これが絶対的に正しいわけではありません。

 

バブル全盛時代は、まさに不動産担保融資の全盛でした。

これは皆さんも記憶あるのではないでしょうか。

 

何しろ“土地”などの優良不動産等をもっていれば、

容易に資金調達することができました。

 

しかしながらバブルが弾けると・・・、

その後は貸し渋り、貸し剥がしでしたよね?

 

これは皆さんもご記憶にあるのではないでしょうか。

 

その後、アジア通貨危機などもあり、

安定化特別保証制度等などを実施することによって、

ある程度は資金調達環境も安定したと言われています。

(もちろん他の施策なども実際されておりましたよ。)

 

そして、紆余曲折を経て・・・、

ビジネスローンが流行っていましたよね!!

本当にたくさんの企業さんに融資をしていました。

(本当、驚くべき実態でしたよ。)

 

 

そして、金融環境においても、BIS規制や早期是正措置の導入、

金融検査マニュアルの公表等、大きな変化を経て、金融機関の融資審査は、

“決算書中心”に大きく変化した!という見方もあります。

 

この決算書だけで、融資の可否がほぼ決定されてしまう・・・、

審査の基本的な方向性となったと言われています。

 

実際は、決算書だけであらゆる審査が行われているわけではありませんが、

決算書が重要であることに間違いありません。

 

まさに、会計事務所・税理士の協力が必要な時代になったのです。

(と個人的には感じています。)

 

 

さてさて、今現在(平成27年3月時点)はどうでしょうか?

 

もちろん、今でも決算書の審査(定量審査)が重要なポイントです!!

しかしながら、安倍政権になって、「事業性評価」という視点が

取り入れられるようになりました。

 

事業性評価とは、その名称通り、財務など数字だけに頼らず、

事業性を評価することにより判断する・・・というものです。

 

これはとても難しいですよね。

本来はこういう姿勢でいてほしいものですが、

とても難しいと感じます。

 

何も、銀行員のレベルが低いから・・・と言っているわけではありません。

 

これまでの長い歴史で必ず人的保証や物的保証などの

“保全”を前提に事業を行ってきた日本の銀行です・・・。

 

それが、「コンサルティング機能の発揮」や「事業性評価の推進」、

「経営者保証ガイドライン」などと言われても、直ぐに対応するのは難しいです。

 

だけど、企業が成長するには銀行さんなどの力が必要です。

金融機関さん、是非がんばってください!!

創業融資で活用できるのは、基本的には二つだけ?!

2016.03.08

創業融資で活用できる制度は限られます。

 

原則的には、「日本政策金融公庫(国民生活事業)の創業者向けのローン」

と「自治体制度融資(創業向け)」、この二つになります。

 

もちろん「補助金だけで起業する!」なんていうのはナンセンスです。

 

もし、この二つの制度で融資を受けることができないようでしたら他の方法はない、

と思ってくださって結構です。

 

よって、確実に成功させるように意識をしないといけません。

 

私も年間、多くの起業家から相談を受けていますが、

「公庫も自治体も駄目でした、別の方法はありませんか?」

というような相談をよく受けます。

 

そもそも、この二つ窓口に断られたのです!!

他に貸してくれる窓口があるでしょうか??

 

その前になぜ駄目だったのかについて検討する必要があります。

 

資金調達に失敗した多くの創業者の方は、「簡単に借りれそうだ」

とでも思っていたのでしょうか??

 

こういうことを言う人がいます。

「友人が日本公庫から簡単に借りれた!と言っていた」。

 

これは補助金でも同じですが、何度、こういうセリフを聞いたことでしょうか!!

 

結果として、借りれた人からすると、

「意外と簡単だった」と感じているのかもしれません。

 

当たり前ですが、「借りれた人」がそう感じているだけで、

謝絶された方にとっては、「公庫は貸してくれない!」窓口なのです。

 

「借りれた人」の意見ばかり聞いていると、

「日本公庫は意外と簡単に貸してくれそうだ」

という思考になります。

 

借りることが出来なかった場合は、それには理由があります。

自己資金不足や経験不足、そもそも事業プランに問題がある等、その理由は様々です。

意外と常識の範囲で判断できるようなことが多々あります。

 

また、銀行や信用金庫等のプロパー創業融資も全くないわけではありません。

 

実際、これまでの支援で信用金庫等からの融資を受けることができた

創業者もいらっしゃいますが、とても厳しいです。

 

そもそも論ですが、日本政策金融公庫や自治体制度から

創業融資を受けることができなかった方が銀行のプロパーを

受けることは非常に難しいと思いませんか??

 

しかしながら、もう選択肢がない場合は、

地元の地方銀行や信用金庫のHPなどを調べてみることです。

 

可能性は低いかもしれませんが、

やれることはやっておきたいですよね。

 

その際は、当然ですが、日本公庫や自治体制度融資では、

なぜ上手くいかなかったのか?についてしっかりと検討すべきです。

 

当然、専門家にも相談して欲しいと思います!

信用保証協会、信用保証制度とは?

2016.03.07

創業者や小規模・中小事業者がお世話になる「信用保証協会」ですが、

皆さんはここがどういう役割を果たしている機関であるか、

正しく理解されているでしょうか?

 

ご存知の方にとっては、釈迦に説法かもしれませんが、

曖昧な方は是非、しっかりと理解して欲しいと思います。

 

信用保証協会とは、零細・中小企業者などに対する

金融の円滑化を図ることを目的として設立された公的機関です。

 

つまり、イメージとしては、保証人になってくれる公的機関のようなものだと

理解してくださって結構です。

 

企業が、金融機関から融資を受ける際に、

各都道府県にある「信用保証協会」に保証の申し込みをします。

 

これに基づいて信用保証協会が債務の保証を行うことにより、

資金の調達をスムーズにする仕組みを「信用保証制度」といいます。

 

これを「保証付き融資」、「マル保」、「信保(しんぽ)」

等と呼ばれています。

 

そして、正式には定義があるのですが、

自治体が絡むと、これらを一般的に「自治体融資」、

「自治体制度融資」、「制度融資」などと呼ばれています。

 

 

それでは、もし借入金の返済ができなくなった場合

どうなるのでしょうか・・・? 

 

その時は、信用保証協会が企業(債務者)に代わって銀行に

「代位弁済」することになります。

 

つまり、金融機関などは、信用保証が代わりに弁済してくれるので、

リスク回避ができます。

 

よって、金融機関にとっては実に有難いものなのです。

 

ただ、債務者側に立ってみますと、

これは、あくまでも「一時立替払い」の性質を有し、

信用保証協会は、代位弁済したものについて“取り立て”を実施します。

 

債務者はちゃんと返済しなくてはいけないのです。

 

これは、信用保証協会、信用保証制度の概略です。

是非知っておいてくださいね。

政策金融改革って??

2016.03.06

今回、とても堅い話です。

読み飛ばしてくださっても結構です。

 

先ずは、「政策金融」の意味について説明しましょう。

 

政策金融とは、公益性が高いものの、リスクの適切な評価等が

困難なため民間金融機関のみでは適切な対応ができない分野において、

融資や保証などの金融的な手法によって政策の目的を達成するものです。

 

これまでに、政策金融の対象分野の見直しや

政策金融機関の組織改編等の改革が行われてきました。

 

すなわち・・・このことを“政策金融改革”と言います。

 

経緯を簡潔に解説しましょう。

 

政策金融改革については、平成17年11月29日に開催された

経済財政諮問会議の第27回会議で、「政策金融改革の基本方針」が決定され、

さらに同年12月9日付けで、内閣に政策金融改革推進本部が設置されました。

 

そして、平成18年6月2日には、政策金融機関の再編成などを盛り込んだ

「行政改革推進法」(正式名称:簡素で効率的な政府を実現するための

行政改革の推進に関する法律。平成18年法律第47号)が公布・施行されました。

 

そして、平成20年10月1日に、国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、

中小企業金融公庫及び国際協力銀行(国際金融等業務)を統合した

新たな政策金融機関として「株式会社日本政策金融公庫」(略称:日本公庫)が創設され、

日本政策投資銀行及び商工組合中央金庫は株式会社化(民営化)される方向性になりました。

 

しかしながら、日本政策投資銀行及び商工組合中央金庫については、

リーマンショック、東日本大震災などによって、民営化については、

一旦、足止め状態であり、政府系金融の役割を果たしている状態です。

 

皆さんもご記憶にあると思いますが、

小泉純一郎さんが総理大臣の際に、この改革を推し進めました。

 

当初は、「政府系金融機関は必要ない。すべてなくそう!

民間がやればいいじゃないか~!」といっておりましたが、

さすがに全てはなくなりませんでしたね。

 

小泉さんのこの主張は、とても良い効果もありました。

それは、政府系金融機関の姿勢が積極的になったことです。

 

当時、私は既にコンサルタントとして独立しておりましたが、

まあ、酷い対応をする政府系窓口がありましたよ。

 

「おまえ、何しに来たの??」と言わんばかりの対応のところもありました。

 

それが手のひらを返したように・・・ですから、

本当、びっくりしたのを覚えております。

 

この改革には、是非があるでしょうが、

常に世の中は変わってきます。

 

重要なことは、世の中の流れに関して文句や評論をするのではなく、

そういう世の中の流れに対応できる能力が企業には必要なのです。