2017.01.17
平成29年2月3日に株式会社プロフィット様主催にて、
事業性評価融資をテーマにしたセミナーの講師を務めさせて頂きます。
事業性評価融資については、昨年以来、私自身が温めてきたテーマの一つであり、
今回が初めて取り組むセミナーでもあります!!
今回のセミナーに参加して頂ければ以下のことが分かります。
・顧問先は大丈夫ですか?極端に二極化する銀行融資!
・「捨てられる企業」の基準は何だろうか?
・森金融庁長官の真の思惑とは…?
・インタビューから分かった銀行が抱えている課題とは…?
・金融機関が捉えている事業性評価イメージとは?
・企業側で事前にできる事業性評価とは?
・事業性評価シートのイメージとは?
・実は今まさに顧問先を増やす20年に一度のチャンス!
・銀行から見て「捨てられる税理士」と「頼られる税理士」の違いとは?
対象者は、税理士、会計事務所職員、又、認定支援機関様です。
また士業やコンサルタントの方も参加可能です。
是非、ご参加くださいませ。
詳細及びお申込みはこちらまで。
2017.01.15
事業性評価融資・・・、今話題の融資手法ですが、
その実態はまだまだ不明な点が多いのも事実です。
先ずは、事業性評価融資を知る、という意味で、
これまでの経緯について解説してみます。
2014年6月24日閣議決定された「日本再興戦略」(改訂2014)の
「中堅企業・中小企業・小規模事業者の革新」において、
「地域金融機関等による事業性を評価する融資の促進等」という一文が公表されました。
そこには、「企業の経営改善や事業再生を促進する観点から、
金融機関が保証や担保等に必要以上に依存することなく、
企業の財務面だけでなく、 企業の持続可能性を含む事業性を重視した融資や、
関係者の連携による融資先の経営改善・生産性向上・体質強化支援等の取組が十分なされるよう、
また、保証や担保を付した融資についても融資先の経営改善支援等に努めるよう、
監督方針や金融モニタリング基本方針等の適切な運用を図る。」と書かれています。
そして、金融庁が2014年9月に公表した「平成26事務年度金融モニタリング基本方針」において、
「事業性評価に基づく融資等」が重点施策の1つとして掲げられています。
そこには、「金融機関は、財務データや担保・保証に必要以上に依存することなく、
借り手企業の事業の内容や成長可能性などを適切に評価し(「事業性評価」)、
融資や助言を行い、企業や産業の成長を支援していくことが求められる。
また、中小企業に対しては、引き続き、きめ細かく対応し、
円滑な資金供給等に努めることが求められている。
金融庁としては、この面での金融機関の経営姿勢、企業の事業性評価への取組み、
企業に対し現実にいかなる対応を行っているか等につき、検証を行っていく。」
と書かれています。
また、2015年7月に金融庁が公表した「円滑な資金供給の促進に向けて」の中では、
事業性評価について「現時点での財務データや、担保・保証にとらわれず、
企業訪問や経営相談等を通じて情報を収集し、事業の内容や成長可能性などを適切に評価すること」
と定義されています。
さてさて、皆さん、これで理解できますでしょうか?
「おー分かった!分かった!」という方は相当の理解力があると想像いたします。
シンプルに説明しましょう!
これまでは、金融機関等においては、
「事業性」より「決算書」や「財務」を中心とした定量的な分析(財務分析等)に比重が置かれてきて、
「事業性」については、やはり関心が低かったと思われます。
(これはこれで金融機関側にも言い分があります!)
しかしながら、今後は過去の財務実績だけに捉われることなく、
事業の内容や成長可能性などを適切に評価することも重視されるようになります。
だからといって、財務などどうでもよい!
などとは誰も言っていませんよ。
金融機関さんが事業性評価融資を行う際には、
当然ですが、正常先企業への営業を行うでしょうし、
財務状況が悪くて、格付けが低い企業に積極的に事業性評価をするのは
非情に困難だと簡単に想像できます。
今後は、中小企業は、金融機関等に積極的な情報開示や説明をすることによって、
自社の事業性についてしっかりとアピールすることが重要となってくるでしょう。
それでは、今後、この事業性評価が急速に浸透していくのか?!
どうでしょうか??
やはりそれなりの時間が必要だと思われます。
まだまだ曖昧な状況ではありますが、皆さんには、
「事業性評価融資」についてしっかりと関心を持って頂きたいと思います。
2017.01.15
多くの中小企業が活用している信用保証制度ですが、
現在、見直しが検討されております。
昨年の12月26日に経済産業省にて、
「中小企業政策審議会基本問題小委員会」が開催され、
「中小企業・小規模事業者の事業の発展を支える持続可能な信用補完制度の確立に向けて」
と題した内容が公表されました。
これで、ほぼ信用保証制度の見直しの概要が決まったと言えるでしょう。
今後は、中小企業信用保険法改正案などを通常国会に提出する方向性とのことです。
この見直しの背景には、信用保証制度がこのままでは破綻してしまう、
という懸念があります。
日本の信用保証への依存は、ある意味、世界一だと言えるそうです。
今回の見直しは、「ライフステージに応じた対応の在り方」
という視点にて、検討がされています。
必要な時期には、信用保証制度を使って、
拡大期には、プロパーの比重を増やすようにして、
信用保証への依存度を低めようとする思惑でしょう。
イメージとしては以下の通りです。
<創業期>
・事業リスクの判定が困難となる創業時の資金供給を可能
・100%保証を維持しつつ、必要となる措置について検討を進めることが有効
<拡大期>
・保証協会と金融機関の連携(リスクシェア)を通じた中小企業の経営改善・生産性向上
・成長とともに信用保証への依存度を下げて一定程度のプロパー融資を確保する
・最終的には信用保証からの卒業を目指すことが望ましい
<持続的発展>
・小規模事業者向けの資金繰り支援拡充
・自己資金・担保力に乏しく突発的事態に対して脆弱な小規模事業者の持続的発展を
一層頑健なものとするべく、小口向け100%保証の拡充について検討を進めることが有効
<事業承継時>
・後継者が株式取得等に必要となる資金を円滑に調達できるよう、必要な措置をとる
<危機時>
・5号認定以外は、引き続き、別枠・100%保証の措置により支援を行うことが有効
・5号認定にはついては、保証割合等の必要な見直しが必要
・大規模な経済危機等に対して、新たなセーフティネット制度を整備する(別枠・100%保証)。
<再生期>
・経営改善・事業再生の促進→保証メニューの検討
・再チャレンジ支援→保証制度の運用見直し
・円滑な撤退支援→撤退時の資金調達支援
今回の見直しには、以上のようなステージ別の利用の仕方についての議論があり、
前回に説明した方向性が示されています。
以下、もう少し簡潔にまとめてみます。
<大前提>
責任共有制度の80%は継続する。
しかしながら、今後も議論は続けていく。
<具体的な見直し>
1.保証付き融資を活用する場合は、プロパー融資を組み合わせる!
2.大規模経済危機に対応する「セーフティネット制度」を新設する。
3.五号認定セーフティネット保証の保証割合を80%とする。
(これまでは100%だった。)
4.小規模事業者向けの100%保証の限度額を
1,250万円から2,000万円まで拡充する。
5.創業者が100 %保証を受けられる限度額を
1,000万円から2,000万円まで拡充する。
6.事業承継時に、後継者が会社の株式を取得するために必要となる資金や
経営者が事業からの撤退を決断する場合に必要な資金を信用保証の対象とする。
7.上記の1、2、3に関して、事業性評価のノウハウ蓄積ができずに
対応できない金融機関が取引先の場合は、保証協会が他の金融機関を
紹介する機能を強化する。またその機能を周知徹底させる。
(最終的には、日本公庫に繋ぐことも視野に入れている。)
8.経営者保証に関するガイドラインの運用を強化すべく、
保証協会における運用の見直しを行う。
今年から大きな動きが本格的になりそうです。
皆さんも是非注目してください。